小売業者が悩む価格設定と利益率

小売業者にとって、価格設定というのは頭を悩ませる問題です。
高く設定すれば利益は出ますが、商品が売れなくなる恐れがあります。

逆に安くすればたくさん売れるのは当然ですが、利益は薄くなります。

では小売業の価格政策はどのようなものなのでしょうか。
その特徴と方法について考えてみましょう。

価格決定の前に行う政策方法

価格政策にはいくつかの方法がありますが、基本的な考え方は同じです。

それは、顧客がこの商品をこの値段であれば買っても良いと思う値段に設定することです。
もしくはこの値段で買えれば得であると考える価格設定にします。

しかしその前に考えておかなければならないことがあります。
それは何を目標とするかということです。

目標をしっかりと決めてることが重要

例えば利益が最も出る価格にしたいのか、その商品は損失さえ出なければ良いのか、マーケットでシェアを獲得することなのか、といった具合です。

その目標を設定して決めなければなりません。
ここがあやふやのままだと、うまく設定することができない可能性もあるので注意が必要です。

その価格設定の方法の一つが仕入れ値に一定の利益を上乗せして決めるというものです。
これは最も簡単な方法です。

仕入れ値は決まっていますから、顧客が購入すると考えられる差額を利益とすればよいのです。

他店のとの競合を避ける

さらに市場価格を考慮してそれに揃えることによって、他店との競合を避けるという方法もあります。

しかしそれ以外の設定方法もあります。
その一つがアフォーダブルプライスというものです。
アフォーダブルとは気にしないという意味があります。

ですから顧客が気にしないで購入できる値段での設定を行うというものです。
原価や市場に関わりなく低価格を実現できるならそれをアフォーダブルプライスと呼びます。

いつでも商品を安く提供する

さらにアメリカなどではエブリデイ・ロー・プライスといって、毎日、安く商品を提供するという価格設定もあります。
この場合にはチェーン展開している店舗が大量購入などによって実現できることがほとんどですが、毎日安いということであれば顧客が多く来店することは間違いないでしょう。

加えて売り出し中は安く、売り出しが終わると高く販売するというハイ・アンド・ロー政策という方法もあり、薄利多売と販売する商品は少なくても利益を大きくすることを並行して行う店舗もあります。

価格設定の方法にも実に様々なものがあることがわかるのです。
どの方法を用いるにしても顧客の観点から見る必要があります。
ぜひ適切な設定を行ってたくさん購入してもらいたいものです。