売上高と密接な仕入高予算を把握する

商品を販売するにはその商品を仕入れなければなりません。

しかし、何の根拠もなしに仕入れてしまうと在庫が余ってしまうおそれがありますし、逆に本当に必要な時に在庫が足りなくなってしまっているということも考えられます。

従って、商品の仕入れの際には十分な検討を行い仕入れる必要があるということがわかるでしょう。

そのためには仕入高予算を立てる必要があります。

しっかりと検討したい仕入高予算

さて、この予算も売上高予算や値入高予算と同様商品予算計画の一部をなしていますが、特に売上高と密接に関連しているということがわかります。

これを指標にすることにより、どのくらいの商品を売るかが決まります。

値入高予算により、売上高目標を達成するためにはどのくらいの在庫を抱えておくべきかが決まります。

在庫高を維持するためにはどのくらいの仕入れが必要なのかが決まるわけです。

このために立てられるのが仕入高予算ということになります。

 

大枠の仕入高予算をより分析する

しかし、この予算は売上高予算によって自然に算出されるといった単純なものではなく、年間の大枠を示しただけの予算でその予算を月ごとの仕入れに反映させる必要があります。

現実に仕入れをする時にはその大枠の仕入高予算をより分析して行わなければいけません。
月別の売上高予算と月別の在庫高予算との兼ね合いを考えながら仕入れることも重要になります。

更に季節変動、仕入先の情報、新製品、経営方針なども考慮する必要があり、非常に多くの要素が関係していることがわかります。

この仕入高予算は下記の通りです。

【仕入高予算の計算式】

仕入高予算=売上高予算+減価予算+期末在庫高予算-期首在庫高予算

という計算方法になります。

つまり仕入れ高予算は月初めの在庫と月末の在庫の差を基本として算出されていくことがわかります。

但し、仕入高予算は仕入原価で換算しなければ実際に用いることはできません。

この原価からの仕入高予算は下記の通りです。

【原価からの仕入高予算の計算式】

原価=仕入高予算(売価)×(100%-初回値入率)

という計算方法になります。

この算出式から分かるように値入高予算を編成するときに重要な指標となっていた初回値入率をきちんと定めておくことが必要になってくるのです。

この仕入高予算は商品予算計画の最終部分に相当しますが、ここに至るまでにはいくつかの予算をさまざまな調査に基づいて適正に定めていることが求められます。

最初の売上高予算から最後の仕入高予算に至るまでじっくりと時間をかけて見定め、利益を多く得られるようにすることがポイントです。

前年度の売り上げや商品の回転率も把握する

仕入計画を立てる際に前年度及び前々年度の売上を照らし合わせ仕入高予算を決定していく必要があります。
毎年、同じ商品が売れるとは限りません。

他にも在庫回転率を知ることも効果的です。
在庫回転率は在庫がどれくらいの早さで売れたのか把握するための指標で、在庫を抱える上で重要な在庫高予算の適正数値を割り出す計算式と管理法以前の記事でも紹介しています。

また、ショップや店舗の損益状況を知ることも必要です。
損益分岐点を割り出し、赤字と黒字のプラスマイナスゼロの地点から、売上目標や在庫高予算を決めていきます。

予算だけではなく、必要経費の割り出しと経費のカテゴリ分けをしっかりと行いマネジメントすることで、更に明確な予算や目標にフォーカスしていきましょう。