売上高予算と長期経営
店舗経営を行っていく上で重要になるのがマーチャンダイジングと呼ばれる考え方です。
適切な時期に適切な商品を適切な方法で提供することによって、顧客のニーズに応えていくというもので、そのため重要となるのが販売予算を立てるということです。
売上高予算とも呼ばれますが、この計画を立てることによってより長期的に経営の計画を立てることが可能になります。
すべての基本となり、これが変動するとその他の部分も大きな影響を受けることになります。
そのため、まずは売上高予算をしっかりした調査のもとに立てることによって基盤を作ることが重要です。
売上高予算の計算方法
これを算定する方法にはいくつかの種類があります。一つは長期傾向変動を読み取って算出するものです。
一年もしくはそれ以上の期間の売上高や売価の変動を観察することによって算出することができます。
そのひとつが目安法と呼ばれるものです。
原始的な方法ですがよく用いられており、方眼紙などに過去の販売実績をグラフ化し、そのグラフを基に目安で予測する方法です。
グラフにすると毎年のおおよその傾向が見えてくるので、比較的簡単に予算を立てることができるかもしれません。
両分平均法
また両分平均法と呼ばれる方法もあります。
これは販売実績データの期間を半分に分け、その両方の期間の平均値を算出して傾向を把握し対策を練るというものです。
但し、これは何か特別なことが起きた年では使用することのできない方法ではあります。
移動平均法
更にに移動平均法があります。
任意の一定期間ごとに販売実績の平均値を算出し、それを一年ごとに移動させることによる平均値の変動からその後の傾向を予測するものです。
非常に正確な傾向が得られるはずですが、数年単位の長期間にわたって行う必要があるため時間がかかるというデメリットもあります。
他にも数学的な観点からすれば最小二乗法があります。
実際の売上高と推定した数値の差の二乗の和が最小になるように傾向線を引くというものです。
月別平均法
一方で短期の傾向変動を読み取る方法もあります。
一つが月別平均法です。
月別予算の算出法は年間売上高÷12×季節指数で表されます。季節指数とは過去数年間の各月平均売上÷総月数の平均で求められます。
また連環比率法というものもあります。
これは対前月比を用いて季節変動が不安定なときに用いることができる方法です。
さまざまな方法によって売上高予算を立てることができますが、しっかりと計画を立てることでより大きな利益を得ていきたいものです。