適正な在庫数と予算

店舗経営をしている中で重要となるのは在庫管理ではないでしょうか。

いつでも商品がたくさん余っているというのは経営者や店舗にとって望ましくありませんが、逆に常に品薄の状態では販売機会損失を起こしてしまいます。

いかに効率よく管理していくというのは、経営者としてどうしても知っておかなければならないものです。

そういった際に重要になるのが、在庫高予算を立てるということです。

年間の販売の高低に合わせて効率的な予算を組む

この予算は年間の販売の高低に合わせて効率的な管理を行うために必要なものです。

売上の少ない月であれば通常より少なくできますし、売上の伸びる月に品切れになることを防ぐことも可能です。

では、月初にはどのように適正な数値を算出することができるのでしょうか。

まず、基準在庫高法という方法があります。
基準在庫高法は各月の売上高予算に基準を加えることによって品切れを回避する方法です。

基準在庫高の計算方法

算出方法は下記の通りです。

【基準在庫高法】
売価=当月売上高予算+基準在庫高=当月売上高予算+(年間売上高予算÷年間予定商品回転率)-(年間売上高予算÷12)= 当月売上高予算 + 年間平均在庫高-月平均売上高予算

という式で表されます。

売上高予算に加え、基本在庫高が加味されているので品切れになるということが少なくなりますが、この数値を算出するためにデータの蓄積が必要になります。

百分率変異法の計算方法

更に百分率変異法というものがあります。
百分率変異法は下記の通りです。

【百分率変異法】
月初適正在庫高(売価) = (年間売上高予算/年間予定商品回転率×0.5×(1+(当月売上高予算/(年間売上高/12)))= 年間平均在庫高 ×0.5×(1+(当月売上高予算/月平均売上高予算))

という式で表されます。

また、平均の日数を考慮することも重要です。

これは手持ちの在庫品が何日分の売上に相当するかという事を示すもので、適正な量を知るためには重要な指標となります。
この算出方法は売価基準で考えるか、原価基準で考えるかによって変わってきます。

売価基準で考えると、

平均日数=平均在庫高÷1日平均の売上高=平均在庫高÷(売上高÷365(日))

という式で表されます。

在庫の回転率を把握する

適正な在庫数を知る指標として、在庫の回転率を知る必要があります。
在庫の回転率はその名の通り、在庫がどれくらいの早さで売れたのか把握することです。

この在庫の回転率が悪いということは、長く商品倉庫の中に眠ることとなり、時間が経ってもなかなか売れることがありません。

勿論、長い間在庫として眠っていた商品がインフルエンサーやSNSで有名になり、爆発的大ヒットを飛ばす可能性もあるでしょう。
ですが、そのようなケースではごくごく稀です。

そのため、爆発的な大ヒットを待つよりも入荷後に初めの商品が売れてから次の商品が売れるまでの時間や期間を把握した上で在庫の補充や発注をする方が賢明で利益にもつながりやすくなります。

原価基準で考える

一方、原価基準で考えると、

平均庫日数=平均在庫高÷1日平均の売上原価=平均在庫高÷(売上原価÷365(日))

という式で表されます。

このような様々な指標を用いることによって、適切な管理が行えるようになります。

特に食品を扱う店舗であれば消費期限や鮮度の問題がありますから、管理をしっかり行うことが重要になるでしょう。

適切な管理を行うことによって利益を最大限にでき、損失を最小限に抑えることができるのです。

このメリットは何よりも顧客が店内を自由に移動し自由に商品を購入できるという点でしょう。
一方で万引きなどの問題が起こりうる販売形態でもあります。

販売形態にも様々な種類があるため、実際に店舗経営をする場合、どのような商品を扱うお店を出すかによって売り場の店舗構造を考える必要があります。