Amazonが行った販売戦略
ECサイトや店舗を運営するうえで、よく売れるヒット商品を大量に扱えば、売上も倍増し楽しいことでしょう。
それに取り扱う商品はどれもに必ず売れる!大人気商品という、魔法のような商品であれば、苦労もないでしょう。
ですが、現実はヒット商品はほんの少数で多くの商品は殆ど売れることのないような商品ばかりです。
但し、商品自体に魅力がないわけではありません。
ただ、商品を仕入れる際に担当者の多くは、売れる人気アイテムを揃えアピールしていくかにばかり気を取られてしまい、仕舞いには時間と労力をつぎ込みます。
ここでご紹介したいのは、従来とは真逆の考え方であるロングテール戦略です。
実際にAmazonが実践しています。
Amazonが大きな成果を上げたロングテール戦略とは、それまで見向きもされなかった不人気商品を敢えて数多く取り揃えることで、販売総数を伸ばし人気商品ではないのに関わらず、大きな利益を生み出していこうというものです。
そう聞くとこのロングテール戦略が気になってきた方も多いのではないでしょうか?
早速、このロングテール戦略について、見ていきましょう。
Contents
ロングテールという販売戦略
例えば、Aという商品は1年300個売れる人気商品だとしましょう。
逆にBという商品は1年に1個しか売れない商品だとしましょう。
ECショップ運営者は、当然、Aの人気商品を取り扱いしたいと考える場合が大半でしょう。
しかし、Aのような人気商品がたくさんあるわけではありません。
Aのような人気商品に人気が集中すればする程、Bのような不人気な商品が数多く生まれるのです。
Bのような不人気な商品を開発するなんて、なんとも無駄な話に思えます。
ただ、Bのような商品を100種類取り扱うネット運営者がいたとします。
仮にAもBもその他の商品もすべて単価が同じだとした場合、Aという人気商品を販売することで得られる利益もBのような不人気商品を100種販売することで得られる利益は変わらないということです。
ロングテール戦略とは、このような考え方に基づく販売戦略なのです。
ロングテール戦略の問題点と解決策
実店舗経営をする場合、陳列棚やスペースには限界があります。
ロングテール戦略を実践するにも大量の商品を店頭に陳列し販売することは、陳列場所の問題などの課題がありますが、ネットショップであれば、商品の紹介ページを制作するだけで商品を販売することが可能です。
また、お客様は検索という方法でどの商品が販売されているかを容易に知ることができるので、実店舗よりも商品を探す時間が減りますし、ロングテール戦略の大きな特徴としては、ネット検索との親和性が高いという点も強みとなります。
ロングテール戦略の良い点
どこのショップもたいていの場合、売上を安定させたいものです。
ロングテール戦略はこのような売り上げの安定化も望め大きなメリットです。
数多くの商品を販売しているショップでは、何商品か売れなくなったとしても全体に及ぼす影響は微々たるものとなります。
一方、わずかな人気商品のみに売り上げが依存している場合、世の中の情勢や商品の欠陥などによってひとたびその商品が売れなくなった場合、大きな打撃を被ることになります。
ロングテール戦略の悪い店
ここまで、メリットばかりに目を向けてきましたが、ロングテール戦略も万能というわけではありません。
不人気商品とはいえ、販売する以上は、ある程度の在庫を確保しておく必要があります。
扱う商品の種類が増えれば増えるほど、在庫が膨れ上がるとともに徹底した管理が必要になります。
人気商品のように在庫が売れるくらいを見越すことできないという点では、ロングテール戦略の大きなデメリットとなるでしょう。
実際にAmazonが行ったロングテール戦略
ロングテール戦略はAmazonやiTunesStoreが導入し安定した大きな利益を生み出していることで一躍有名な戦略法となりました。
以前までは、全体の売上の8割は、たった2割の人気商品によって生み出されているというようなパレートの法則が一般的でした。
売上の大部分は人気商品が作り出しているため、不人気商品を取り扱ったところで、全体の売り上げを伸ばすことはできないという考え方です。
しかし、Amazonは、この考えを逆手に取り大量の商品を取扱うことで全体の売り上げの8割を不人気商品が支えるというビジネスモデルを確立したのです。
Amazonのような例は、まさにネットショップならではの戦略ともいえます。