商業集積による売上相乗効果
商業集積という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
あまり聞きなれない言葉ですが、簡単に言えば商店街やSCと呼ばれるショッピングセンターのように複数の店舗やテナントビルのように各店舗が集まった場所のことを言います。
場合によっては単独で店舗を構えるよりも複数の店舗が集まったほうが集客効果を上げることができるため、近年よく用いられる方法となっています。
もっとも一般的に知られている商業集積の形態は商店街でしょう。
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商業集積の形態とメリットを理解する
そもそも、商業集積の目的として、地域の活性化や、また、一つの商業施設で全てのものが揃うということを利点として形成されたものです。
このような目的として出来たのが商店街です。
しかし、現在の商店街は、経営が難しく、多くの地域で消滅の危機に瀕しているのが現状です。
そこで、今回はこの商業集積で得られる効果とメリットをご紹介していきます。
共同店舗の効果
一方で、より効果をあげてきた形態もあります。
それが共同店舗です。
商業者が共同で小規模または中規模のテナントビルを建設し、商業集積の中心となる方法です。
商店街が自然発生的に形成されたのとは異なり、この共同店舗は一つの目的のもとに複数の店舗が計画的に建設するものとされています。
成功すればとても効果的な方法となりますが、実施の際には多くの注意が必要です。
共同店舗としてのメリットは、電化製品を買いに来たお客さんが、日用品や洗剤などを購入してくれる可能性が高くなると言う点でしょう。
いわゆるついで買いです。
また、注意点としても多い事柄が、共同店舗のおかげでこのようなついで買いの恩恵を受けられる一方で、商店街の改装を行う時は一店舗単独で行うことはできません。
他の店舗との合意が必要になります。
共同店舗のメリット
特に商店街で言えば、商店街を利用する人というのは、殆どの場合、地域の方や近所にお住まいの方が利用するため、商店を開いているお店の人は、人との繋がりを大切にしてくれます。
その結果、必ずお店に立ち寄ってくれるような常連客がつくことも珍しくありません。
他にも、セールやお祭りなどといった、イベントが開催されることで、商店が活気に溢れ売上が大幅に増え、お店の認知度を上げられる可能性もあります。
共同店舗のデメリット
店舗を出店する場所にもよりますが、テナント料、いわゆる賃貸料が高いという点です。
これは、利用客が多いところであれば、その分、料金も比例してくる場合もありますし、同じフロア内でもお客さんの目に入りやすい場所であれば、賃料も上がる傾向にあります。
ショッピングセンターで言えば、エスカレーター前などがそれにあたります。
また、ショッピングセンターでは、独自のセールやポイント制などを導入しており、このような規則に従わなければなりません。
商業集積による付加価値
田舎にあるような大規模ショッピングセンターやモールなどに出店しているブランドやメーカーは、大衆目的なブランドが多い傾向にあります。
また、都会にあるようなショッピングモールやファッションビルといったテナントビルはトレンド性の高くセンスを活かしたようなブランドが軒を並べていることが多いでしょう。
同じ商業集積でも、自分の立ち上げたブランドがどこの商業集積に出店するかによってもそのブランドのイメージが大きく左右されます。
そのため、自分のお店をどこの商業集積に出店するかもブランドイメージと照らし合わせながら、考えていく必要があります。
リスクと意識及び理解
例えば、計画に賛同する仲間を集める際にしっかりとした意思統一をしておかなければなりません。
さらに顧客獲得のための事前調査を行い、商圏の調査結果によっては計画を始めからやり直すリスクを覚悟しておく必要があります。
実際に店舗を出店する際には協調性のある行動を心がけなければなりませんし、合理性の高い経営を行うことも求められます。
このような点をしっかり押さえて初めて成功する共同店舗を経営できるのです。
商業集積とショッピングセンター
商業集積の最たる例がSCと呼ばれるショッピングセンターでしょう。
一つの単位として計画、開発、管理運営される商業やサービス施設の集まったものであり、駐車場を備えていると定義されています。
その立地や地域特性によって利便性や娯楽性、快適性などの要素が変化していきます。
コミュニティ施設として地域活性化の一翼を担うことが期待されます。
例えば娯楽性の高い施設が求められるのであれば、映画館やボーリング場などを備えることによって、多くの集客を期待できるかもしれません。
ショッピングセンターの条件
ショッピングセンターには幾つかの満たさなければならない条件があります。
小売業の店舗が1500平方メートル以上でなければならないことや、中心となるテナント以外に10店舗以上のテナントが入っていること、中心となるテナントが面積の80%を超えないこと、テナントが共同して広告宣伝等を行っていることがその条件となります。
このような条件によって経営されているのが商業集積なのです。
まとめ
今回は、商業集積の形態で変わる売上や効果などについて、まとめてみました。
同じ商業集積と言っても、商店街とショッピングセンターとでは、考え方も違いますし、利用するお客さんにも変化があります。
ショッピングセンターであれば、駐車場が設けられていますが、商店街では地域密着型のため車を利用するお客さんは殆どいません。
駐車場が設けられているショッピングセンターは、遠くから来る人の集客を可能にしますが、商店街はそうはいきません。
このように同じ商業集積でもどの形態を取るのかを見極める必要があります。
どのような年代やどのような商品を売るかによっても変わってくるでしょう。
まずは、ターゲット層を理解する必要があります。