セールや値下げ、特売品による価格変更

道を歩いていて特売という看板やチラシがあるのを見ると、ついつい中を見てみたくなるものです。
様々な理由によって行ったり値下げをしたりすることがありますが、価格変更に際してどんなことを考慮しなければならないのでしょうか。

特売、値下げによる集客効果

そもそも特売とはもともとの値段はそんなに安くはないけれど、特別に安い値段で売ることです。
一方で値下げとはもともとの価格設定を変更して安くするという概念で、マークダウンとも言います。

スーパーマーケットなどで、在庫の一掃や来店客数を上げる集客のために行われ、たいていの場合そのもくろみ通り来店するお客さんの数は増加します。
近年ではスーパーマーケットだけではなく百貨店やデパートなども特売を行うようになってきました。

特に年末年始や円高などに伴う輸入品の価格低下のタイミングに行われることが多く、この政策が経営上好ましいかどうかは賛否が分かれるところではあります。
なぜなら利益率が下がることは明白ですし、販売した商品の売価と原価の差額である粗利益も低下することは容易に想像できるからです。

それでも顧客だけではなく従業員のマンネリを打破するためにも特売が有効であるという声は根強いようです。

 

更なる値下げのメリットとデメリット

では、値下げにはどのようなメリットやデメリットがあるのか見ていきましょう。
値段を下げるという行為にも二種類あります。

一つは戦略的な理由です。
これは業界内でシェアを獲得しきれていない店舗が、シェアを獲得し市場を支配しようとして行われるものです。
戦略的には、より積極的な値下げと考えることができます。

もう一つはやむを得ない場合です。
景気低迷に伴い売上が落ち込んでいる場合、工場などの生産能力が消費力よりも上回っており、在庫が余っている時などに行われます。
販売が落ち込んでいる時には値段を下げることで、現状打破への起爆剤としたいという意図が見える場合が少なくありません。

しかしこの時も原価以下に値下げすることはしてはいけません。
利益率がマイナスになり、売れば売るほど赤字になるということになってしまいます。

 

収益に大きく影響のある値下げ

例えば定価千円の商品の利益が50円だったとします。1%下げると値下げ後の価格は990円になります。
原価は950円ですから利益は40円になります。

たった1%値段を下げただけで、利益率は20%も縮小してしまいます。

これを考えただけでもデメリットもあることがわかるでしょう。
もちろん特売も値下げも効果的に行えば利益をもたらします。

ぜひ慎重な検討の上で、戦略的な値下げに踏み切るようにしたいものです。